The Newest Post
ハックフィンの大冒険
- Get link
- X
- Other Apps
ハックフィンの大冒険(THE ADVENTURE OF HUCK FINN)
監督:スティーヴン・ソマーズ 1993年 アメリカ
誰がなんと言おうとイライジャ・ウッドが一番かわいい映画はコレ!(絵のイライジャはかわいくないです。すみません)
ハックと、その友達である逃亡奴隷のジムの冒険物語。しかし、この作品は単なる冒険物ではなくて、黒人差別や奴隷制、生き抜いていくことについて描かれた感動の物語です。
※ネタバレしている部分もありますので、ご注意ください。
※ネタバレしている部分もありますので、ご注意ください。
子どもの頃、この映画が大好きで、もう何十回見たかわからないくらい見ている作品です。家にあるビデオを漁っていて偶然出てきたので、見返して見たら、やっぱりすごくよくて、また泣いてしまいました。大人になってから見てみて、なぜ子どもの頃の自分がここまで惹かれたのかなど、なんとなく理由もわかったので、そこも踏まえつつこの映画のことを書きたいと思います。
ハックは母が死んで、父がいるのだけれど、父は1年前から姿を見せず、行方をくらましていた。両親のいないハックは親切な姉妹に引き取られ生活していたのだが、自由気ままに生きるハックは礼儀正しくしたり、ちゃんと学校に行くのが嫌い。友達と殴り合いの決闘の遊びをしたり、夜に部屋をこっそり抜け出し遊びに行く毎日を過ごしていた。そんな中、父親の目印である十字架の印がついた靴跡を海岸で発見し、ハックは父が戻ってきたことを知る。ハックの父親はアルコール中毒で、酒を飲むと暴れ、ハックを殴ったり家の中をむちゃくちゃにします。ハックのことを見つけ、姉妹の家から無理やり自分の家に連れ帰り、ハックの母が残した金をすぐに手にいれるべく、ハックを殺そうとします。
このハックの父親が本当に怖い。この役者さんすごいなと子どもの頃から思ってたんやけど、ほんまに怖い。狂気が溢れてるというか、ほんまに何するかわからん怖さがある。これ、子どもの頃は自分の父親に重ねて見てたんやろなあって今になって思います。うちの父親もアルコール依存症でした。それで、酒飲むと手がつけられなくて、暴れたり怒鳴ったりで、ほんとに、このハックと同じ気持ちで、父親のこと怖いなっていうのがいつもありました。
それで、面白いのが、夜に散々暴れ散らしといて、朝になって酔いが醒めると本人(父親)は昨日のこと全く覚えていないんですよね。ハックの父親も「なんで、お前ここにいるんだ?」ってハックに聞くんですけど、あんたが無理やり連れてきたんやんっていう。うちの家でも同じ現象が起きていたので、うちの父親と同じや!と思って見ていたのでしょう。あと、あれだけのことをしておいて覚えていないなんて都合がいいなとも思っていました。(実父とハック父に対して)
そんな共感を覚えながらも、ハックがその父親の元からまんまと抜け出し、自由を求めて旅に出るというのが、当時の窮屈だった私の心をぐっと掴んで離さなかったのだと思います。自分も、ハックみたいにここから逃げられたらいいのに、と思っていたと思います。そんな憧れと羨望をハックに対して持っていました。
この映画の時代はまだアメリカで奴隷制が行われていた頃の話で、最初はハックは奴隷制が当たり前だと思っています。(当たり前の世界に生きています)だから、ジムが奴隷制はおかしい、と言っても、そんなこというお前のほうがおかしい、とジムに言います。しかし、そうは言いながらもハックの心の中ではもやもやしている部分があるのだけれど、ハックはジムの言葉を頭の中からかき消そうとします。ジムは友達で、いっしょにケイロ(ジムがいう自由の地)を目指して逃げてきたけど、逃亡奴隷を援助したら、自分もタールづけの刑になる、とそういった思いもあってハックはジムを誰かに引き渡そうとします。
しかし、実際に奴隷を探している人物に出会うと、ハックはジムのことを隠します。ハックはジムのことを引き渡せなかったのでした。ジムはその様子を物陰から見ていて、「正しき人 ハック」と嬉しそうに言います。ここは好きなシーンです。
夜に、イカダの上で、ジムは、「みんなが正しいと言うことが、本当に正しいとは限らない」とハックに言います。
ハックはそのかわいさと、物怖じしない性格と、そして口のうまさで世間を渡り歩いていきます。ハックは、旅の途中で、金持ちが確執から起こる今となっては理由もわからない争いをしていることにおかしさを感じたり、途中で捕まり、また奴隷となってしまったジムをのことを見ているうちに奴隷制のおかしさについて考えたりし始めます。当時の世の中で正しいとされていることに疑問を感じ始めます。
物語の後半、自らを王様と公爵と名乗るペテン師の二人組に出会い、またトラブルに巻き込まれます。しかし、自分たちが悪い状況になっても、悲観的にならず、自分たちの目的のために何とかしようと進んでいくハックとジムの姿に力をもらえます。
ジムはペテン師の王様たちのせいで、また捕まってしまいます。その時に、ジムはハックの父親がもう死んでいることをハックに告げます。ハックはショックを受けます。ここで、ハックはもう逃亡する理由がなくなるんですが、ここからが見所です。
ペテン師の王様と公爵の嘘がバレ、事態はどんどん大きくなっていき、そのどさくさに紛れてハックとジムは逃亡を試みます。しかし、あと一歩のところで、二人の逃亡は叶いませんでした。ここからの展開はもう息をつく暇もないくらいハラハラします。また泣いてしまいました。ここは是非作品を見ていただきたいクライマックスシーンです。
最終的にハックとジムは助かります。
人が当たり前に持っている自由に生きる権利を持っていなかったジム。どう考えてもおかしいことなのに、当時は正しいとされていました。ジムは最後にやっと、人が当たり前に持っている自由という権利を手に入れます。ハックはみんなが正しいと言っていることでも正しくないこともあるということを身を持ってジムから学んだのでした。
人種や信条、門地や性別によらず、誰でも自由に生きる権利を持っています。しかし、現代でも差別はなくならないし、生きづらい人がたくさんいます。誰もが自由に生きられるようにもっと社会が進んでほしいです。私もどこかで知らずに差別してることもあるかもしれませんが、自分の大切な人が差別されてたら助けたいって誰もが思うんちゃうやろうか…。そういう気持ちを忘れずに生きていきたいです。
いろいろ見返して思い出したり、現代社会のことについても考えてしまったのですが、この作品は本当にテンポもよく、ストーリーもわかりやすく、それでいて面白いハックとジムの冒険物語です。思い入れもいっぱいある大好きな作品です。
イライジャ・ウッドのかわいさだけでも見る価値はあります。おすすめです。
ほな
- Get link
- X
- Other Apps
Popular posts from this blog
幽幻道士3
幽幻道士3 監督:シュ・イェン・ウェン 1988年 台湾 あらすじ スイカ頭がキョンシーになってしまい悲しむのもつかの間、キョンシーを悪用され金おじいさんは捕まってしまう。その後なんやかんやあって(アバウト)金おじいさんが敵のムササビ道士に捕まってしまい、闇の特殊霊魂にさせられてしまう。 テンテンたちは金おじいさんの元婚約者であるマーボおばあちゃんのもとへ助けを求める。マーボおばあちゃんは法術は使わないと心に誓っていたが、金おじいさんと甥の盛天文が危ないことを知ると、秘術である「八卦上将軍の術」を使うことを決意する。 一言で言うと、八卦将軍の術がかっこよすぎる。これに尽きます。八卦将軍の術は特殊霊魂の術のさらに上を行くような術で未婚の男女が8人いないと行えない術でもある。アクションはもちろんのこと、衣装やメイク、歩き方、立ち位置など全てにおいて本当にかっこよいです。 ストーリーも1~3まで続いているお話なので、大変面白いのですが、この八卦将軍の術が素晴らしくかっこよいので、未見の方は是非見ていただきたいです。
幽幻道士4
幽幻道士4 孩子王 監督:チン・チュンリャン、ツァイ・ヤンミン 1988年 台湾 あらすじ 子供ばかりを襲う恐ろしい魔王がいた。その魔王に青龍という一人の道士が戦いを挑んだ。しかし、青龍は魔王に乗り移られてしまう。魔王は青龍の子供を狙い金おじいさんのもとへ現れる。金おじいさんと青龍は必死で戦ったが、青龍の妻のリンリンは殺されてしまう。金おじいさんは間一髪のところで、魔王の頭に杭を打ち込む。痛みに耐えかねた魔王は青龍を連れてどこかに消え去ってしまう。魔王が去ったあと、慌ててリンリンの元に駆けつける金おじいさん。リンリンの死にとても悲しむが、お腹の赤ちゃんが生きていることに気づく。法術で赤ちゃんを生ませることに成功する。この時産まれてきたのがテンテンである。テンテンは生まれたときから、特別な力を持っていた。それから、月日が経ち、テンテンと金おじいさんは、テンテンの父親である青龍を探す旅に出るのであった。 以下、今回の幽幻 4 の特徴 ・ 1 ~ 3 とは毛色が違う。 4 とついているが、全くの別物。外伝的な感じ。 ・そのため、 1 ~ 3 カラーが好きな人には少し受け入れ難い点があるかもしれない。 ・テンテンの誕生から大人までとはいかんけど、成長を描く。 ・テンテンが他の子供たちとは一線を画している。能力が違う。 ・ 1 とは対照的に親方がダメ親方。 ・テンテンがチビクロたちと面識がない。 ・「雷 ( いかづち ) よ!我に力を与えよ!」 ・金おじいさんはフルメタルキョンシーという皇帝を守った強い戦士たち ( のキョンシー ) を護衛兵として鍛えていたが、何者かに魔王の騒動のときに盗まれてしまう。 良い点 ・最初から最後まで話が二転三転していって、内容がとても面白い。 ・テンテンと金おじいさんの自転車に二人乗りしているシーンが好き。自転車アクション。 ・フルメタルキョンシーの服は私はあまり好きではないが ( 通常キョンシーの服のほうが好き ) フルメタルキョンシーを鈴 ( ベル ) で誰でも操れるというのは面白い。 ・魔王が人に乗り移れることで、次に誰に乗り移るのか、というハラハラ感が面白い。 ・乗り移られると皆すごく強くなって、顔に緑の光が当たる。 ...
新・桃太郎
新・桃太郎1( 捉鬼雜牌軍 The Child of Peach) 監督:チン・チュンリャン チャオ・チュンシン 1987年 台湾 昔々あるところに大きな大きな山があり、その山のずっと奥に、桃の国という桃源郷があった。この国の主は仙人でその子どもに生まれたのが桃太郎だった。 ある日、赤鬼大魔王が桃の国に、太陽の剣を奪いにやってくる。太陽の剣を奪われた桃の国は一気に光を失い、雪が降り出す。赤鬼大魔王に両親を殺された桃太郎は桃の神によってもたらされた大きな桃の中に入り、下界に降ろされた。 下界では、おじいさんとおばあさんが神様に子どもを授かりたいと願っている。ここでのおじいさんが幽幻道士の金おじいさんで、おばあさんがマーボおばあちゃん役の人で、幽幻ファミリーの面々が出ていて嬉しい。 洗濯をしていたばあさんが桃を発見するるが、桃が逃げるので、ばあさんがタライに乗って桃を追いかける。桃に振り回されながらも自宅に到着。桃が光って家具を動かすポルターガイスト現象。桃と格闘するじいさんばあさん。テンテンの妖精が現れ、桃から出ても大丈夫だと促す。桃が割れて男の子が生まれる。 一方悪魔島では… 太陽の剣のお陰で、魔女ボラボラが復活。元気になったボラボラはまた悪いことするぞー!!!と人間界に現れる。赤鬼軍団が人間界に出て暴れ出したのである。 赤ん坊の桃太郎のままでは人間界が危ないと思ったテンテン妖精が桃太郎に魔法をかけ桃太郎を成長させる。井戸を掘り起こしたり、じいさんの芝刈りの手伝いをしたり、持ち前の力を遺憾なく発揮する桃太郎。 暴れまわる赤鬼軍団は、りんご姫を誘拐する。スイカ太郎というデブ隊長が率いる兵隊が鬼退治にいく兵士を募っているという話を聞く。悪魔どもに好きなようにさせてはいけないということで、おばあさんは鬼退治にいくことに賛成するが、おじいさんは桃太郎のことが心配で反対する。 鬼退治に向かうスイカ太郎一行。一緒に行きたいと頼むが、子供だからと追い返される。一人で向かう桃太郎。そこへ犬丸、猿丸、雉丸がついてくる。家来にしてくれと頼む三匹。人間の姿に変身する彼ら目の当たりにして驚く桃太郎。一緒に行こう!と仲間になることを許す桃太郎。 ボラボラに目をつけらられたスイカ太郎。りんご姫に変身してスイカ太郎の...