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悪を呼ぶ少年



悪を呼ぶ少年(THE OTHER)
監督:ロバート・マリガン 1972年 アメリカ

子どもが怖い系サイコホラー。
子どもが怖い系と言えば、『オーメン』がすぐに思いつくのだが、この映画は『オーメン』よりも前に撮られた作品。『オーメン』のダミアンが悪魔の子であるのに対して、この『悪を呼ぶ少年』に出てくる双子の兄弟、ホランド(兄)とナイルズ(弟)は普通の少年です。そこが余計に怖いところ。

この双子の兄弟は、兄のホランドはいたずら好きで、動物を殺したり、人を殺したり、むちゃくちゃなことをする性格です。それに対して弟のナイルズは、温厚で物静か。エダおばあちゃんと一緒に空想のゲームをするのが大好きな性格です。

ある日、従兄弟のラッセルが藁の上に飛び降りる遊びをしているときに、藁の中に隠れていたピッチフォークに串刺しになり息を引き取ります。ここから、双子の周りでいろいろな事件が起き始める…。

田園風景がすごく綺麗で印象に残る映画です。映像が美しいだけに、作品全体におどろおどろしさはなく、その分、美しい無垢の中にある狂気が浮き彫りになり、そこが怖かったです。途中でこの双子の秘密が明かされるんですが、明かされて終わりでなく、そこからさらにエスカレートしていくのも怖かったです。

ペリー家に代々伝わるハヤブサの指輪、切り取られた指、ホルマリン漬けの赤ん坊、井戸、脱出の手品、おばあちゃんとのゲームなど謎を解く鍵となる品々が物語中に伏線としてちりばめられていてそれが最終的に全てわかったときは、そうだったのか、と納得しました。
次どうなるんやろう、とぐいぐい引っ張られて集中して最後まで見ました。すごく面白かったです。双子の少年が無邪気ですごくかわいいんだけど、どこか見ていてすごく不安にさせる存在だった。

以下ネタバレありますのでご注意ください。
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エダおばあちゃんが責任を感じて双子と死のうとするのが可哀想だった。
ホランドがあまり映らず、ナイルズ中心で物語が進んでいくところや、母がやけに井戸に執着しているところなどから、ホランドとナイルズが同一人物だったということは割と早くに想像がついたが、兄を失ったショックと寂しさから、兄の人格を自分で作り出してしまうということが、実際に現実にありそうな(二重人格的な)ことなので、そこもこの映画はリアリティがあってよかったです。


最後に窓から外を見ているのは、ナイルズかホランドかどちらなのでしょう?納屋の火事でナイルズの人格が死んで、ホランドの人格だけ逆に生き残ったとかだったら怖い…。

ほなね

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