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みな殺しの霊歌
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みな殺しの霊歌
監督:加藤泰 1968年 日本
逃亡中の殺人犯である川島(佐藤允)が、潜伏中に少し仲良くなったが、ある事件をきっかけに自殺してしまったクリーニング屋の少年の復讐のために、5人のマダムを次々とレイプし、惨殺していくというもの。
川島がマダムを次々と殺していくのと並行して、潜伏先で出会った、料理屋の春子(倍賞千恵子)に惹かれ距離を縮めていく。
警察は、最初、マダムたちはの繋がりが理解できず、犯人をなかなか見つけられない。この川島がこのマダムに復讐するきっかけとなった事件というのは、このマダムたちは、いつも5人で集まって麻雀をして遊んだりしていて、ちょうどクリーニング屋の少年がクリーニングする服を取りに来たときに、AV鑑賞会をしていて、欲情したマダムたちは少年を無理やり部屋に招き入れ、犯した(輪姦した)のだった。少年はその次の日にビルから飛び降りて自殺をする。
それを知った川島は、少年の名前も知らなかったが、なぜか少年とは生前から心を通わせていて、それを聞いて純粋なものを汚されたと怒り狂う。そして、今回の連続強姦殺人事件を起こす。
殺し方の方法というか制裁の仕方が、レイプってレイプマンかよ!って心の中で突っ込んだんですが、レイプして殺害しているので、レイプで矯正というレイプマンの主旨からは外れるものだった。(レイプマンとは→http://ja.wikipedia.org/wiki/THE_レイプマン)
内容的は終始どんよりとしていて、サスペンスという感じなんですが、川島と春子が仲良くなっていく様子はそれと対比して穏やかな空気を感じさせてくれます。映画の撮り方など私はあまりよくわからないのですが、人物の顔のアップがたくさんあったり、下からのアングルで撮られている場面が多かったりと、映像の写し方に特徴があってそこが面白かったです。この映画がモノクロであるというのも、この物語に重厚感や乾き、じっとりとした暑さなどを伝えるのに役立っていたと思います。
そもそも、5人の女性にレイプされて自殺した名前も知らない少年のための復讐というのが現実的ではないし、実際に自分がレイプして殺すってのも救われないなと思うのですが、川島役の佐藤さんの鬼気迫る表情や、春子の倍賞千恵子さんのかわいさ、映像表現の特殊さがこの映画を支えていると思います。
復讐ものとしては私的にちょっとぬるい気がするなあ。
殺し方をむちゃくちゃにひどくしたからといっても、あまり殺人鬼側の執念や思いが弱く、復讐心というものが感じられませんでした。あと、5人のマダムの中で菅井きんさんだけレイプ殺害シーンがショートカットされてて、既に殺されてたみたいな写真の表示だけで、おい!と突っ込みたくなった。
女性が男性をレイプするという題材はあまり取り上げられないと思うので、そういった面ではこの作品は、女性の性欲にスポットをあてていてそれはそれで面白いと思いました。
女性が男性をレイプするという題材はあまり取り上げられないと思うので、そういった面ではこの作品は、女性の性欲にスポットをあてていてそれはそれで面白いと思いました。
ほな
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