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映画『チョコレートドーナツ』と『わたしはロランス』に見る性的少数派の目線 2/3




1/3(最初の記事)はこちら

◯チョコレートドーナツに関して私が思うこと

ブログにもレビューとして以前に記事は書いたが改めてなぜ、自分がこの映画を見て自分が感じたことについて書いていく。


この映画を見てまず、最初に思ったこと
① 観客を泣かしにかかってる
② すごく悲しい映画

この2点です。

3人(ルディ、ポール、マルコ)の幸せな日々や苦労したことのエピソードがあまりにもあっさりとしか描かれていなくて、最後のあの手紙を皆に送りつけて、観客にショックを受けさせて、叩きのめして、ENDという流れに悲しくなりました。

この映画を見た多くの多数派の観客はどう思ったのだろう?
このチョコレートドーナツをよかったと評価する多くの人々は、こういう現実を見せてくれてありがとう、心が揺さぶられた、感動する映画、考えさせられる映画と捉えるのだろうか。こういう出来事からマイノリティの人権に改めて気づく人も多い。

しかし、私のように少数派側にいる立場から見ると、少数派は、どんだけがんばっても裁判には勝てないし、偏見の目で潰されるし、最後は誰かが死なないと多数派の心は動かないのか、と悔しくなりました。

この映画でマイノリティ側は殺されたのです。これが私が悲しかった一番の理由です。そして、この映画が多数派の多くの人に絶賛されていたのが、私には理解できませんでした。これはチョコレートドーナツの記事にも書いたのですが、トラヴィス・ファイン監督のインタビューで、監督は自分はゲイではないが、愛する我が子を奪われる苦しみに普遍性を感じたのからそれを表現したかったそうだ。もともとハッピーエンディングにするつもりだったらしいが、脚本を読んでもらた知人に、ずっと最後まで正義が貫かれないのに、最後で急にめでたしめでたしになるのはおかしいと言われたから本作のようなラストにしたらしい。
仮に、監督自身が、ルディやポールと同じ立場だったとしたら、それでも、この映画の結末のような描き方をしただろうか。こう考えると、監督は多数派の人で、多数派と少数派の距離をすごく感じる映画になってしまったと私は思った。

ルディ役のアラン・カミングさんの演技がすごく魅力的で、惹かれた部分もたくさんあったのだが、映画全体の描き方を考えると、悲しい、悔しい、辛い、と負の感情ばかりが残る結果となった。


つづく→3/3





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