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リン・シャオロウのゴーストパワーを持つ少女


女學生與流氓鬼  Kung Fu Student
監督:莊胤建 1989年 台湾
監製:李作楠

※内容に触れまくりですので、ネタバレを見たくない方はご注意ください。











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今まで見たことのある林小樓作品の中では話が複雑でドラマなので見終わって結構疲れた。
話自体はすごくB級で(褒めています)、「妖魔伝」監督の李作楠が関わっているからなのか「妖魔伝エンド」となっていて悲しいです。
また、本作は、林小樓がいじめられたり、辱められるシーンや、女性として消費されるような演出が多く、見てて結構つらいシーンがありました。
しかし、本作でも林小樓はむちゃくちゃかわいいです。

ストーリーとしては、林小樓演じる葉小雯は父親が警察官だったが、職務中に亡くなり叔父に世話になっている。父親に憧れているので将来は警察官になりたいと思っている。昼間は叔父の探偵事務所で働き、夜に学校へ行っている。
結構ドジっ子キャラ設定で、職場や学校ではいじめられて、笑い者にされている。
小雯自身は心優しい人物で、学校帰りに産気づいた妊婦さんと遭遇し、病院まで連れて行ってあげる。
病院内で、人間界で金持ちの家の子供に転生しようとしていた幽霊の羅銳(役名難しいので役者名で書きます)がタイミング悪く、同じく病院に居合わせた小雯の体内に入ってしまう。いきなり腹が膨らみ出して苦しむ小雯。小雯のケツの穴から火花(CG)が噴射し生まれる(?)羅銳。(←ここかなりシュールだった。)

タイトルの「流氓鬼」が羅銳のことで、調べてみたら、たぶん「ヤクザ(ギャング)の幽霊」的な意味だったので、羅銳はヤクザの霊。

金持ちの家に転生できなかった羅銳は怒り、小雯に嫌がらせをするようになる。
この嫌がらせがかなりひどくて途中で見るのやめようかと思った。
・執拗に小雯をつけ回し、無理やり裸を見る
・身体や容姿をむちゃくちゃ批判する
・学校にも現れ、小雯に術をかけ、みんなの前で何回も恥をかかせる
・あまりに恥をかかされ続けるので、小雯はつらくなりすぎて自殺を図る←羅銳が知り合いの幽霊にやりすぎだと言われ助けるので未遂で済む

上記が前半延々と続くから、もうほんと小雯が可哀想すぎて、これいくら何でもやりすぎやろと思った。

羅銳は知り合いの幽霊に説教され、改心するんやけど、ここも、何であんなに執拗に嫌がることをして自殺まで追い込んどいて、急に改心するか?となったけど、羅銳は反省し、お詫びの手紙と大量の花をプレゼントし、小雯はそれを見て嬉しい気持ちになる。

探偵の仕事でお金の取り立てに行く際に、楊雄さん率いるヤクザのアジトに乗り込むが、おもちゃの拳銃がバレ、殺されそうになるところを羅銳が助けに来て、形勢逆転。小雯をサポートしつつ戦い、お金を取り戻すことに成功する。

羅銳は改心したので、小雯のサポートをしてくれる良い霊になる。一緒にトレーニングをし、戦闘の技術を教え、服を一緒に買いに行き、髪の毛を切ってやり、専属スタイリストばりの羅銳の元で小雯は変わっていく。

探偵事務所での評価も上がり、学校のテコンドーの授業でも華麗に勝ち、見た目も洗練されて、人気者になっていく。

小雯が好きだったクラスメイトの金韋が声をかけてデートに誘ってくる。
金韋は彼女がいたが、小雯と付き合いたいと思い、積極的にアプローチしてくる。ここが下心丸出しで鬱陶しかった。羅銳がブチ切れて金韋を殴ったり犬のウンコ顔につけさすのもわかる。金韋は羅銳の姿が見えないので恐れをなして逃げ帰る。
羅銳の行動に対して小雯は怒る。小雯は金韋のこと好きやったと言う。小雯と羅銳は喧嘩をして別れる。

ある日、探偵事務所の仕事で、妻から愛人のもとへ行った夫を連れ戻してほしいという依頼を受けて、小雯は同僚の阿彬とその夫がいる家に向かうがそこにいた夫の愛人というのが男性でゲイだったというシーンがある。
このシーンの差別するようや描かれ方が結構ひどくて、面白くしてるつもりなんやろうけど、全然笑えへんかった。このシーンわざわざいるんやろか。1989年当時の描かれ方が酷かった。

羅銳と喧嘩別れをしていたが、やはり寂しくなり、羅銳を呼ぶ。お互い謝り仲直りして、小雯はずっと離れないでいてほしいって言うんやけど、羅銳からあと2日で転生する日となるので離れなければならないと聞かされる。

最後の2日間、楽しく過ごそうとなり、羅銳が奥さんに会いに行きたいと言うので会いに行くことに。
自分の家を紹介し、すごく嬉しそうな羅銳やったが、奥さんは自分の弟分(常山)に寝取られていたという悲劇。ブチ切れる羅銳。すぐに二人を殺そうとするが、小雯に止められる。
(実際、羅銳は常山に裏切られ、背後から撃たれて殺されていた。)

小雯「何で殺そうとするねん!」
羅銳「自分が助けてやった弟に裏切られたから殺す!」
小雯「もうすぐ人間に転生すんのに、そんなことして影響ないん!?」
羅銳「知らんがな!」
小雯「お前ってほんま面倒くさいやつやな」
羅銳「何が?」
小雯「人間に転生できひんかったら、傷つく人がいるのに...」
羅銳「誰が?」
小雯「私が」
羅銳「お前が...?」

その言葉に思いとどまる羅銳。
気を取り直して、飲みに行く二人。
もう、ここで終わりでええやん。

家で二人が楽しく飲もうとしている時、その裏で常山たちは羅銳の魂を二度と転生できないように破壊してやろうと自分たちで本を読んで、法術の準備をし始める。ここの法術、結構手が込んでて、用意に時間がかかりそうやのに、完成する時間むちゃくちゃ早くできてて、家で飲んでる羅銳にすぐ法術がかかって時間軸おかしかった。

法術により、羅銳が常山の家の裏の倉庫に無理やり引っ張り出され、苦しめられる。
そこへ小雯と同僚の阿彬、クラスメイト2人が助けに来る。
ここから、アクションシーンとなる。羅銳が小雯に乗り移って、暴れ回る。林小樓の羅銳の顔芸よかった。

常山との戦いになったときに、腕と背中をナイフで切られる小雯。すると、小雯の体から離れた羅銳が常山と戦い出す。足元にはドラム缶から漏れたガソリンが...揉み合いになった隙に羅銳がろうそくの火をガソリンにつけ、「小雯、またな」と言いつつ常山巻き込み自爆。
羅銳の名を呼び、泣いている小雯の顔アップ〜劇終

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悲しい。
人が結構いっぱい死ぬエンド見てきたけど、本作は何でこんな悲しい気持ちになるんやろかと考えてたんやけど、多分、林小樓が泣いて終わるからやな。

好きなキャラクターが死んでしまう映画として、張徹監督の作品を最近よく見てるんやけど、今感じてるような悲しさはないねんな。本作と張徹映画の終わり方の違いを考えたときに、今のところ見た張徹映画では、泣いてる人がいいひんねんな。人が死にまくっても。仲間が死んでもさわやかに笑いながら手を繋いで去って行く(cf.残酷復讐拳)ねんな。それで、埋葬してあげて...!とは突っ込みたくなるねんけど、悲しいとはあんまりならへんかってんな。

林小樓のこと好きやから、林小樓の泣いてるシーンが多い本作は、もうこれ以上泣かせんといて、という気持ちになったので、林小樓を泣かす映画はつらいんやな。
確かに『新桃太郎2』でも、おばあさん殺されて桃太郎が泣くシーン可哀想で苦手やった。

そんな中、好きなシーンもあった。
楊雄マフィアからお金を取り戻した功績から小雯がボーナスをもらい、そのお祝いとして羅銳と二人で飲みに行き、いろいろ話をしてすごく楽しそうに盛り上がっているシーン。
ここはほんま二人とも楽しそうで、よかったなあと嬉しくなるシーンやった。

映画としては、冴えない主人公の林小樓が、羅銳に鍛えられることによって、魅力的な人物になっていくというようなストーリーなんやけど、周りに好かれたり、気に入られたりすることでその人の価値が上がるみたいな描かれ方がちょっと嫌やった。
個人的にはイメチェンする前の林小樓のほうが可愛く見えた。(どんな林小樓も好きなんで嫌ということがまずないんやけど)

鬼片・動作片・喜劇片とHKMDBにジャンル分けされてましたが、笑えへんかったなあ。悲劇やった。
でも、当時(1989年)は喜劇やったんやな、恐ろしい。
これ見て『ジョーカー』思い出した。
ある人にとっては悲劇でも、遠くから見てる人にとっては喜劇ていうやつ。

思ったよりも、色んな意味でショックを受けた映画で、見終わった後に、いてもたってもいられず、思ったことを、ばーばー書いてしもた。
ドラマのような感情が揺さぶられるやつ、やっぱり苦手やなあ...ハラハラしてしまう...

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