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カランジル
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カランジル(CARANDIRU)
監督:ヘクトール・バベンコ 2003年 ブラジル
この映画は1992年にブラジルにあるカランジル刑務所で囚人111名が虐殺された事件をもとにして作られたものです。カランジル刑務所は2002年に博物館として使用される1ブロックを残し、全て解体されたそうです。
カランジル刑務所に1989年~2001年でボランティアをしていた医師のDrauzio Varellaが『カランジル駅』という名前で小説を書いたものが映画化されました。
ということで、この映画は医師の目線で話が進んでいきます。カランジル刑務所は収容人数が4000人のところを7500人もの人が収容されていて、刑務所内の環境は劣悪だった。しかし、刑務所内の雰囲気は自由で、開放感があります。刑務所内にはさまざまな囚人がいて、それぞれの生活を満喫(?)しています。中でも印象に残っているのが、ロドリゴ・サントロがゲイの役で登場していて、恋人と刑務所内で結婚式を挙げるシーンです。
後半で刑務所内で暴動が起き、警察の鎮圧部隊が鎮圧に入るのだけれど、暴動を止めるための鎮圧という名のやりすぎの虐殺。ここからの映像はすさまじいです。片っ端から殺していくというか追い詰めいていくという感じ。逃げ惑う囚人たち。映像は大変迫力があります。
私は、この映画で初めてブラジル映画を見ました。実際に起こった話を映画化して社会に広く知ってもらうということがブラジル映画には多いと思うのだけれど、そこが私がブラジル映画の好きなところです。実際の刑務所内の話や、警察による理不尽な虐殺(ブラジルは警察による理不尽な虐殺事件が多い気がする)を包み隠さずメディアに流し、社会で起こるおかしさを世界に発信します。こういうところがブラジルのすごいところだと思います。
この映画がきっかけでブラジル映画の魅力を知り、興味を持った私は『シティ・オブ・ゴッド』の世界にはまっていくのでした…。
刑務所であろうとファヴェーラ(スラム街)であろうとブラジルの底抜けの明るさと開放的な雰囲気がある国民性がブラジル映画には出ていて、そこが私がブラジル映画を好きな理由でもあります。ブラジルへ行ってみたい。ブラジル映画はオススメです。カランジル始め、どれも面白いです。
ほなまた
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