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ポンヌフの恋人


ポンヌフの恋人 Les Amants du Pont-Neuf

監督:レオス・カラックス 1991年 フランス

 アレックス三部作(『ボーイ・ミーツ・ガール』、『汚れた血』、『ポンヌフの恋人』)の最後の作品。主人公のアレックスはパリのポンヌフ橋でホームレス生活をしている。知り合いのホームレスを通じて画学生のミシェルと出会う。次第に二人は惹かれ合って行く。
 ストーリーは一言で言えば、恋の話なんやけど、この映画、公開までにかなりの苦労があったらしく、二度の撮影中断、費用も38億円もかかり、途中でカラックス監督は、当時付き合っていたジュリエット・ビノシュとも破局するっていう、とてつもない苦難を乗り越えてこられたそうだ。それを知ってこの作品を見ると、この希望に突き進むような映画の展開は、監督の最後の希望というか、思いの丈を映画にぶつけられたのだなと思った。それほどまでにこの映画の結末は美しく、光り輝いているのである。
 
恋愛の話ってあんまり好きじゃないんやけど、この映画は好きである。アレックス扮するドニ・ラヴァンとミシェル扮するジュリエット・ビノシュがいいんよな。ドニ・ラヴァンのことが私も大好きなので、ドニ・ラヴァンがというかアレックスが報われる展開にそれだけで幸せな気持ちになれる。アレックスがミシェルに送る言葉も好き。


 まどろめ、パリよ!


【2015.06.01追記】

ドニ・ラヴァンの魅力について

私はドニ・ラヴァンという俳優が好きです。初めて『ボーイ・ミーツ・ガール』の映画を見たときから、野獣のような彼の表情や仕草、身軽な動き、話し方に虜になってしまった。ドニ・ラヴァンが放つ独特のオーラが好きです。
『ホーリー・モーターズ』で久しぶりに彼の姿を見たのだけれど、その魅力は相変わらずで、やはり私はこの俳優のことが好きだと思った。セリフが多いわけでもないのに、そこにいるだけで映像が生きてくる、なぜか見てしまう、私にとってそんな俳優です。

カラックス監督はそんなドニ・ラヴァンにいつも監督自身を演じさせていたのだけれど、監督はドニ・ラヴァンのことをどのように思っていたのだろう。カラックス監督のインタビューの記事を読むと、監督は、ドニ・ラヴァンについてこう語っています。

“よく知っていると言っても、実生活のドニ・ラヴァンを全く知りません。一緒に食事をしたことも一回もありませんし、友人ではありません。ドニ・ラヴァンは今、私の家から200メートルの近所に住んでいますが、普段は会うこともありません。ドニ・ラヴァンは私と同じ年齢で背丈も同じくらいです。出会ったときは、お互い20歳か21歳のころだったでしょうか。それ以来、本当に彼と話したことは一度もありません。(http://mini-theater.com/2013/05/06/26924/)”

監督は、ドニ・ラヴァンの役者としての演技に惚れ込んでたんかな。それさえあればいいみたいな。
ドニ・ラヴァン自身はカラックス監督のことをどう思ってたんやろう。知りたい。

ほな

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