真説ザ・ワールド・イズ・マイン



新井英樹 真説ザ・ワールド・イズ・マイン(2006年、ビームコミックス)

 町山智浩のアメリカ映画特電で聞いて、読みたくなったから読んだ。話の内容はほんと「ナチュラル・ボーン・キラーズ」みたいな感じ。主人公のモンちゃん(画像:一巻表紙)は人を殺すことにも暴力を振るうことにも何のためらいも悪意も感じない人物。このモンちゃんといっしょに行動をともにするのがトシというひ弱で爆弾を作ることができるオタク。トシは元郵便局員だったが、モンちゃんと出会うことで、「力」を手に入れてしまい、どんどん後には引けないことになっていってしまう……。それと同時に発生した謎のヒグマドンという怪獣に日本は襲われる。

 トシモンと呼ばれるこの二人はどんどん人を殺して行くんだけど、この話で問われていることは、「なぜ、人を殺してはいけないのか。」ということである。法律や道徳や倫理などで抑制されていなかったら我々の誰しもが人を殺す可能性を秘めているのである。作者はそのことを、この漫画で読者の目の前に突きつけるのである。


 戦争では人を殺すことが許されて、なぜ日常ではいけないのか。裏を返して、なぜ戦争では人を殺してもいいのか。侵略するためだったらその土地の人を殺してもいいのか。奴隷にしてもいいのか。私たちが今住む世界が人を殺してはいけないと法律にも掲げて言っているのも関わらず、地球上で戦争がなくなったことはないし、今も起こっている。なぜなくならないか、それで得をする人々がいるからである。こんな世界に生きていることは嫌になることのほうが多いけど、生きてる。死ぬのなんて一瞬やなと、儚いなとこの漫画をみて思う。人間て愚かやなと思う。

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