第七の封印




『第七の封印』(Det sjunde inseglet)
監督:イングマール・ベルイマン 1957年 スウェーデン


"小羊が第七の封印を 解いてから

約半ときの間にわたり 天国は静かになった

私は見た 神の前に7人の天使が立ち

7本の角笛を与えられるのを"


あらすじ
十字軍の遠征から命からがら帰ってきた騎士のアントニウスと死神との対決を描いた作品。数々の陰陽の対比から生と死を見つめ、神の存在を問いかける。

 この作品は本当に好きな作品です。どこが好きかというと、何といってもアントニウスと死神のチェスの対決シーンです。このシーンは今まで見たすべての映画の中の好きなシーンの中の5本の指に入るんじゃないかと思います。この映画のストーリー云々以前にこのシーンだけでも一見の価値ありだと思います。それくらい美しいです。この映画はモノクロの美しさが本当に引き立っていて、この美しさはモノクロでないと表現できないと思う。カラーにはない、光の陰影の美しさが光ってとても眩しいです。あの荘厳さはモノクロだからこそ出せるのではと思います。
 内容はというと、ベルイマンの作品で一貫して問いかけられる「神の存在」についてアントニウスの目を通して話が進んで行く。十字軍として神の名のもとに人の命を奪い、自分も命からがら逃げ帰ってきたアントニウス。しかし、故郷に帰ってきた彼が目にしたのは、蔓延する黒死病と、また神に救いを求めて苦しむ人々の姿であった。自分にも確実に死が近づいている。アントニウスは自分のことをつけてきているある存在に気づく。海岸の砂浜に現れたのは、黒いマントに顔が能面のように白い死神であった。死神が命を奪いにきたのである。死神とチェスの対決をして勝てば助けてもらえる。しかし、負ければ死である。アントニウスは死神に勝つ方法を探りながら、旅を続ける。道中アントニウスはさまざまな人と遭遇する。
 死神(死)はいつもこんなにも近いところにある。死はすぐ手を伸ばせば触れることだってできるのに、どうしてこんなにも生きることは苦しいのか。こんなに苦しんでいる姿を神は見ているのか。神はどこにいるのか。私はこの映画の死神とアントニウスのやりとりからこのような問いかけを受け取った。死神は私たちのすぐ近くにいる。これは普遍的なことだと思った。だから、キリスト教などに詳しくない私でも強くそのメッセージを受け取った。
 神にすがり、神の名の下に非道なことをする人間に対して、神を利用する宗教に対してベルイマンの懐疑が現れているのかもしれない。神を信じたら救われるのか。そもそもそんな神は存在するのか。

ベルイマンの主な作品








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