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統合失調症がやってきた


 ずっと前から読みたいと思っていた本をやっと読んだ。
 松本ハウスはボキャブラ天国のときに知って、とても印象に残っていた芸人だった。加賀谷さんの壊れっぷりとそれに冷静に突っ込むキックさんの掛け合いを覚えている。あるときから、松本ハウスの姿を全く見なくなったなと思っていた。何かのうわさで加賀谷さんが統合失調症と闘っていると聞いた。今は芸人にまた復帰していて、この本も出していると聞いた。それで、なぜだかわからないが、どうしてもこの本を読みたくなって、本屋で度々探すも、自力でなかなか見つけることができず、何度目かに行った本屋で、(『タモリ学』もこの本屋さんで探してもらった)探してもらい、ついに手元にきた次第であった。
 内容は、キックさんが最初に、キックさんから見た加賀谷さんのこと、コンビを休止されるまでのあらましに始まり、加賀谷さん自身が語る子供時代の話、自己臭恐怖症の話から幻聴が聞こえてくる話(しかし本人は幻聴だと気づいていない)、それから統合失調症と診断されるまでの話。治療の話、お笑い芸人になるまでの話。キックさんとの出会いの話、松本ハウス誕生までの話。それぞれのエピソードが非常にわかりやすく、丁寧な文章でまとめてあった。聞くところによると、加賀谷さんがメモしたことや、話したことをキックさんがまとめ、一冊の本に仕上げたとか。この本は、10年という長い月日の間、加賀谷さんのことを待ち、また加賀谷さんもキックさんとコンビを組みたい、お笑いをやりたいために戦い抜いた魂の記録であると思う。文章を読んでいて、この二人は本当に良いコンビだな、また加賀谷さんの周りにいる人たちもすごく暖かい人だなと感じた。もちろん当事者の加賀谷さんは、私が想像もつかないくらい苦しい思いや怖い思い、言葉に表現できないほどのことを乗り越えてこられたのだと思う。この本を読んで、松本ハウスのことをこれからも応援したいし、自分もゆっくりでもいいから、支えてくれる人と一緒に生きていきたいなと思った。



統合失調症がやってきた
ハウス加賀谷 松本キック

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