ムカデ人間

 

 前から気になっていた作品をついに。1と2と借りてきた。
 三人の人間を四つん這いにして縦に並ばせて、前の人の肛門に後ろの人の口を縫い付けて、その人の肛門にまた後ろの人を縫い付けてっていうのを実際に手術してやってみた博士のいや、マッドサイエンティストの話。
 

 マッドサイエンティストものめっちゃ久々に見た。久々のB級というかゲテモノというかこういうの心のどこかで求めて見てしまうねんな。マッドサイエンティストことヨーゼフ博士は、シャム双生児の分離手術で有名な医者。顔の表情、立ち姿、雰囲気、もう真性変態だった。変態!と叫ばれても、ああ俺は変態だとも!と返す自覚っぷり。ドクターモローを思わせるような白塗りしたみたいな顔に黒いごついサングラス。いかにも。
 期待を裏切らず突っ込みどころ満載で、いつもこういう映画はなんでこう詰めが甘いんやと思わせる展開多々。ムカデ人間の先頭にさせられるのが、日本人のヤクザの兄ちゃんなんやけど、日本語(関西弁)で拘束されたとき、「火事場の馬鹿力じゃ!」とかいうてて、緊迫した空気の中なぜか笑えたり。日本人+アメリカ人女性+アメリカ人女性という繋ぎ方されるんやけど、最後のほうは、この三人のことすごく応援している自分がいて、がんばって逃げろ!がんばれ!がんばれ!と手に汗にぎりながら応援した。
 結果はまあ逃げられへんのやけど、もう少しのところで、日本人ヤクザが喉をガラス片で搔き切って自害してしまう。これには、おい、なんでここであきらめるんや、と思ってしまい、死にたい気持ちもわかるが、悲しかった。生き延びて、分離手術など受けて、また生きてほしかった。それはそれで辛いかもしれんけど。
 なんで逃げ出すときに、博士にとどめを刺しておかへんのやろう、と感じまくった逃走劇だった。
 全体的には、こういう映画にありがちのほんまにチープすぎてどうしようもない(褒めてる)ものではなく、緊迫した空気の中に、なんだか笑えるような、ふと冷静になると何してるんやこの人たちと我に返るような、(日本人やくざの影響が大きい)、そんなバランスがすごくとれた作品だと思う。
 ただ、ちょっと変態にしか(自分を含め)おすすめできない作品であることは確かである。まだ描写はましなんやけど、これおすすめやで、とか軽くは言えへんけど、わかってもらえる人にはわかってもらえる作品だと思う。
 最後に、(最初に)つ・な・げ・て・み・た・い。じゃねーよ!!


【2015.4.23 追記】

本作の『ムカデ人間』は次回作『ムカデ人間2』を作るために撮られたと感じた。1でもういい、となった人には勧めないが、2を見ると、ああこのための伏線だったわけね、1は、と思えるため、1と2両方とも体系的に見てみるほうが全体が見渡せた気分になる。ただ、2は1で抑えた分、ここぞとばかりにいろんなものをぶち込んできますので、生理的に大丈夫な人にオススメ。





ムカデ人間
The Human Centipede (First Sequence)
監督:トム・シックス 
アメリカ 2010年



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