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トゥルーマン・ショー



トゥルーマン・ショー (THE TRUMAN SHOW)
監督:ピーター・ウィアー  1998年  アメリカ


※ネタバレしていますのでご注意

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ジム・キャリー演じる主人公のトゥルーマンは、生まれたときから24時間生活を実況中継、全国放送されている。
現代ならこういうことを自分でやっている人もいる世の中なので、それほどまでに驚きはしなかったが、それはあくまでも自分で好きにやっている場合に言えることである。
トゥルーマンは、何も知らずにショーの主人公を演じさせられているのである。自分の意思とは関係なく。その無自覚なトゥルーマンの生活を、他人の生活を覗き見たい観客は楽しむのである。これは不思議な感覚の映画だなと思った。
他人の生活を見るのは面白い。ああ、こんなふうにこの人は生きてるんだ、とその人の人生のストーリーを見ているこちらは楽しむ。自分とは無縁の“誰か”の生活を覗き込む。覗いたところで自分には何の影響もない。こういうところに、私は少し恐怖を感じた。
自分に関係ないことは、批判しやすいと思う。批判したところで自分には特に何も返ってこないし、影響がないから言いたい放題できる。でも、もし、その人物が自分にとって大切な人だったら、どうだろうか?
映画を見ているうちに、私はトゥルーマンのことがとてもかわいそうに思えてきて、ハラハラしてしまった。一人の人の人生を見世物として消費することに違和感を感じた。それを何も考えずに楽しむ観客に対しても違和感を感じた。しかし、それを考えると、このトゥルーマン・ショーを見ている私自身も、他人のストーリーを覗きたい観客であることに気づく。

トゥルーマン自身が今後幸せになってくれることを望む。自分の人生は自分で選びとってほしい。その権利が誰にでもあるはずだと思うんやけど、なかなかそれがわかってても自分で切り開いていくのは難しい。でも、自分の足で歩んでこそ、生きている実感がするのかもしれない。

私は生きていく上で、もっともっといろいろなものを見たい、とこの映画を見て思った。


ほなほな


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