フランシス・ハ (FRANCES HA)
監督:ノア・バームバック 2014 アメリカ
ノア・バームバック監督の『イカとクジラ』という映画が割と好きだったので、気になっていたこちらの映画も見た。
印象は、ヌーヴェルバーグの時期の映画の雰囲気を持つ現代映画。すごくヌーヴェルヴァーグなのに、iPhoneが出てきたり、Macのパソコンが出て来たりして今を感じさせる。
主人公はタイトルのにもなっているフランシスという女性。フランシス・ハのハの意味は最後にわかります。
フランシスはダンサーを目指しているが、実習生のままなかなか舞台にも立てず、一番仲がいいと思っていた親友も結婚して遠くに行ってしまう。
自分の将来に不安を感じつつも、旅に出たり、新しいルームメイトと生活したり、自分の思う道をフランシスは歩んでいく。
フランシスが最初のほうで街の中を走っているシーンにデヴィッド・ボウイのモダン・ラブが使われていて、すごくレオス・カラックス監督の『汚れた血』を思い出したので、オマージュなんだなと思った。
ところどころヌーヴェルバーグっぽさを出しているのも監督が好きだったのかなと感じた。ある人の日常をありのままに人間を“リアル”に描く手法はベルイマン監督に似ている。(これは『イカとクジラ』のときも感じた。)
好きだったところは、生きて行く上で、どんなことがあっても、フランシスがフランシスさを失わず、自分は自分として生きて行くところに、強く、強くいいなと思った。
この映画で、フランシスはルームメイトに何度も、フランシスの行動(言動)に対して“非モテ(Undateble)”と言われる。フランシス自体も自分のことをundatebleと言っている。しかし、本人自身はそんなことお構いなしに、自分の好きなように生きているのである。こういうフランシスがすごく好きになった。
どんな生き方をしようとフランシスにはフランシスの魅力がある。自分にとって楽しい人生を過ごしたらいいやん、というメッセージを私は受け取った。
勇気付けられる一本。
ほなね