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招かれざる客
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監督:スタンリー・クレイマー 1967年 アメリカ
この映画は、母がとてもよいとよく言っている映画で、偶然見る機会があったので見た映画。
招かれざる客というタイトルが醸し出す、誰かが招かれることを望まれない、拒否される映画なのかなと、何となく思いながら見た。話は黒人の青年と白人の女性が結婚することになり、双方の両親の葛藤が描かれている。
白人女性はキャサリン・ホートンが演じており、その父親はリベラリストで知られる新聞社の社長である。いつも黒人差別反対の記事を書いておりながら、実際に娘が黒人の婚約相手を連れてくると反対してしまうのである。母親はというと、割とあっさり、自分の娘の結婚を認めてやり、反対する夫にも、「私たちの実践してきたこと(黒人差別をしないこと)はこの子にちゃんと伝わってるじゃないの」と夫を諫めたりもするが、夫はなかなか首を縦に振らない。また、黒人青年(シドニー・ポワチエ)の両親も結婚の報告を聞いてはいたが、まさか相手が白人女性だとは知らず、聞いて大変驚く。
なんやかんやあって最終的には、結婚を認めらる。最終的には、これは誰の結婚か、という話になる。親たちが、私たちにもこんな熱い時期があったじゃないの!という話になる。それで、二人は無事に婚約を許され、ニューヨークへ、という流れになるのだが、私は一つ引っかかったところがあった。
確かに、この映画はすごく進歩的で、人種差別を否定し、最終的にはハッピーエンドで終わる素晴らしい作品であると思う。しかし、この映画でシドニー・ポワチエ演じる黒人青年は、世界を飛び回る医者で、超エリートである。これがもし、エリートでなかったら?ただの一般人のいち黒人青年だったら?もしくはスラム出身の貧乏青年だったら?この婚約はあっただろうか。
この黒人青年はエリートになれたから(もちろん本人の努力はすごいことであると思う)よかったが、これは、この黒人青年が白人と同化するためにしてきた努力の賜ではないのだろうか。女性が男性と同じ立場になるために男性化してしまうことで、結局男女の不平等が直らなかったり、外国人がその国の人から差別されないように、違和感をなくすように同化することとなんら変わらないのではないだろうか。それは、根本に立ち返って見ると、社会では、マイノリティになると、本来の何も肩書きもまとわない自分では認められないことの裏返しであり、そういったことをしなくては認められない社会なのである。私はそこがおかしいといつも思う。
ありのままの本来のその人が認められてこそ、差別はないと思うんやが、それではこの映画は成り立たないのであろうか。そこが気になる。現在この映画の公開から約50年近く経ったが、社会はありのままのその人を認められる社会になったか。なっていない。
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