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ギアナ高地の伝言 橋本梧郎南米博物誌


ギアナ高地の伝言 橋本梧郎南米博物誌
監督:岡村淳 2005 ブラジル/日本

ブラジル移民の植物学者・橋本梧郎先生がギアナ高地の秘境、テーブルマウンテンの山頂のテプイ(「神々の家」という意味)で植物観察を行うまでの旅の記録。

梧郎先生は当時満92歳。92歳という高齢にも関わらず、行った先では真っ先に植物観察を行う姿がすごく印象的だった。ギアナ高地は南米ベネズエラの奥地。荒れた道やスコールもあり、そこまで行くだけでも、大変な道のりだと映像を見ていて思った。

好きなことをただひたすらやり抜く。日本からブラジルに移民として渡り、大変な苦労もあっただろう中、植物の研究に情熱を注いでこられた梧郎先生。植物を観察するために歩き回る姿は、すごく生き生きして力強かった。足が悪いなんて思えなかった。

私は、映画が好きで、いろいろなジャンルの映画が好きです。
ドキュメンタリー映画もそのうちの一つなのだが、ドキュメンタリー映画の何が好きかというと、その映像が“本物”だということ好きなのである。生きた映像をスクリーンを通して見ることができるから好きなのである。

梧郎先生のことはこの映画を見て初めて知った。映像は、梧郎先生がギアナ高地へ旅へ行ったシーンが大半で、梧郎先生のお供として撮影した岡村淳監督と、梧郎先生の付き合いの長い女性の方2名。映画見たのは、その人々の人生のほんの数時間なんだけど、それぞれの人がブラジルに渡ってきて、(もしくは日系2世、3世で)そういう日系人社会の歴史を歩まれてきたのだなあと思うと、その人々の今までの人生の歴史に興味が沸いた。岡村監督がどのような経緯で日本人移民を映像記録し始められたのかすごく興味を持ったので、監督の著書『忘れられない日本人移民』を映画を見た後にすぐに購入。これから読む。

私は日本人だが、私のパートナーが日系ブラジル人の3世なので、そういったブラジルへ移民した人々は、他人事ではなく、自分にも関わりのあることである。パートナーの話を聞くだけで、移民した人々の生活の大変さ、日本とブラジルの間で揺らぐアイデンティティ、肉体的にも精神的にも大変な苦労を乗り越えられてきたと思う。

梧郎先生の今回の映画はそういったことが語られているわけではないのだが、私は、映画に登場した方々一人一人の生き方にすごく興味を持った。こういうことを考えられることが、ドキュメンタリーの醍醐味であると思う。今、現実に生きている映画。魂の記録。

岡村淳監督の映画は今回初めて見さしてもらったんやけど、すごく面白くて、好きになりました。他の作品ももうすぐ見にいく予定が入っているので、すごく楽しみにしている。

ほなほな

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