THE LORD OF THE RINGS


The Fellowship of the Ring (2001)
The Two Towers (2002)
The Return of the King (2003)

監督:ピータージャクソン
原作:J・R・R・トールキン






 「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」の三部作を見た。以前、既に見たことのある作品であった。しかし、内容を深く覚えていなかった。こういう冒険物はある意味王道すぎて今まで好きではあるが、逆に敬遠していた部分もあって、なかなかもう一度見ようと思う作品ではなかった。
 だが、今回この指輪物語の前章である「ホビット」を見たことにより、このホビットが指輪にどう繋がっていくのかということが大変気になったのである。それでもう一度見ることにした。

 今回見て、昔見ていた頃よりも、登場人物に対する印象が変わった。昔より登場人物の内面の葛藤や痛みや苦しみを感じた。そのことで、どの登場人物も完璧な人間(ではない種族もいるが)ではないということを知り、より私たちと近い存在であるように感じた。そして、またそれとは逆に、レゴラスやエルフについては、すごく美しい種族なんやが、その分、エルフたちに内面の葛藤や苦しみがない(死の苦しみもない)ことからキャラクターが薄っぺらく感じてしまった。そして、力の指輪をめぐって“人間”という種族がいかに弱いかということも改めて思い知った。しかし、やはりその中でもアラゴルンは人間離れしているというか、人間の王にふさわしい人物だった。
 
 フロドに関して−−この物語はフロドの喪失の物語であるという文字をどこかで読んで、本当に納得した。フロドは指輪という重荷を背負って大役を果たした。しかし、それはフロドが自ら指輪を火山に投げ込んだのではない。フロドは指輪は自分の物だから捨てたくないと言った。そこでゴラムと取り合いになり、ついにゴラムが指輪を取り戻す。指輪を取り戻そうと思ったフロドが崖までゴラムを追いつめもみ合ううちに崖からゴラムは落ちていく。その時のゴラムの表情は本当に満たされていて穏やかな表情だった。
 フロドは自分の意思の力では指輪は捨てることができなかったけど、ビルボとフロドが慈悲で生かしておいたゴラムが指輪と一緒に落ちていくということで、結果的には指輪を葬ることができたので、それがゴラムの使命だったのかと納得した。
 

 サムに関して−−サムは本当に素晴らしい人物だなと感じた。私自身、サムという人物に関してあまりよい印象はなかったのだけれど、今回、フロドにあんなに言われたり疑われたりいろいろしたが、決して諦めず、フロドのことを慕っていたことに驚いた。そして一番印象に残っているシーンは、私は指輪の重荷を背負うことはできないけれど、あなたを背負うことはできます!とフロドを背負って火山の入り口まで運ぶシーン、あれには本当に感動した。フロドが大役を果たしたように扱われているが、あの旅はサムなしでは決して成功しなかったと思う。そして、サムだけでなく、メリーやピピン、その他の仲間たちがいなくても成功しなかったと思う。そう思うと、この話のそれぞれのキャラクターそれぞれに役割があって、それぞれがその役割を果たしたんだなと思った。だから、以前はあまり印象に残らなかったメリーやピピンのことも今回良いなと思った。


 最後の灰色港の船出のシーンについて−−このシーンのことは、映画を一度見た後であってもほとんど記憶に残っていなかったシーンであった。しかし、今回このシーンのことが、旅のどの冒険のシーンよりも印象に残った。シーンが印象に残ったのではない。この船に乗って、ビルボとフロド、それからガンダルフ、それからエルロンドとガラドリエルが不死の国へ行くということを知って、とてつもない悲しみに襲われた。それは映画を見終わった後に、じわじわと感じ始め、涙が止まらなかった。どうして悲しいんやろうと思った。もう二度と会えない場所に行ってしまったからなのか。二度と会えない、というのが自分には一番応えたのだろう。
 とにかく、素晴らしい作品であった。物語の世界から戻ってくるのが困難なほどに。様々なことを改めて考えるようになった。


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